波穏やかな瀬戸内海に面した「いで湯と城と文学のまち」松山市は、江戸時代以前からの姿を今に伝える「松山城」や3,000年以上の歴史を誇る「道後温泉」など見どころ盛りだくさん。夏目漱石「坊っちゃん」や司馬遼太郎「坂の上の雲」など有名小説ゆかりの場所も多く、街歩きにピッタリの観光都市だ。市の中心部を見下ろす松山城の麓にある「松山城二之丸史跡庭園」は、古い絵図や発掘調査に基づいて松山藩主の邸宅跡を復元した庭園で、近年はその風景の美しさから結婚式の前撮りスポットとして人気が定着。年間約400件以上のカップル・夫婦が互いの愛を写真に収める思い出の場所となっている。また、庭園整備前の発掘調査では男女の名前の彫られたロシア硬貨が発見され、国境を越えたロマンスの証だと巷で話題に。ミュージカルとしてロシア公演も行われた「誓いのコイン」のロマンチックなエピソードに思いを馳せるのも楽しい。

住所 愛媛県松山市丸之内5(松山城二之丸史跡庭園)
Map
アクセスJR松山駅又は伊予鉄道松山市駅より伊予鉄道市内電車「県庁前」下車徒歩5分
HP http://www.matsuyamajo.jp/information/ninomaru.php
四国 恋人の聖地

デートプラン

10:00   松山城にロープウエイでGO

伊予松山藩城主・加藤嘉明が築城に着手し、25年の歳月をかけて造られた名城・松山城。江戸時代に建築された天守を有する全国12城のひとつで「日本の100名城」にも選ばれている。天守へはロープウェイと徒歩で15分弱で到着。天守から見下ろす松山平野の360度大パノラマは圧巻で、天気が良ければ佐多岬や瀬戸内海に浮かぶ島々をも一望できる。お殿様になった気分で眼下の風景を楽しもう。

11:00  松山城の門で記念写真

松山城内には多くの門があり、一の門や二の門、紫竹門、仕切門などそのうち7つが重要文化財に指定されている。大きさや構造は様々で、材質や角度など随所に施された防御の工夫には驚くばかり。大きな筒井門の脇に隠れるようにして建つ「隠門」や門柱に鉄板が貼り付けられた「筋鉄門」など、名前と門の造りをチェックしながら見てまわるのも面白い。戦火や落雷で焼失した門なども復元され、櫓や石垣と共に当時の面影を今に伝えている。

11:15 松山城二之丸史跡庭園で花と庭園美を満喫

平成4年に完成した花と緑の庭園。敷地内は「奥御殿跡流水園」と「表御殿跡柑橘草花園」に大きく分けられ、奥御殿では流水や芝、表御殿では草花や愛媛ならではの柑橘類で、かつての松山藩主の邸宅の間取りを再現している。梅や桜、アジサイやサザンカなど季節の花々も見どころのひとつ。薪能の上演や演奏会、茶会や句会の開催などイベントも多く、観光客や市民の憩いの場となっている。

13:00 神の湯・霊の湯でお団子と温泉

道後温泉駅から徒歩5分の公衆浴場「道後温泉本館」は言わずと知れた道後温泉のシンボル。温泉は「神の湯」と「霊(たま)の湯」があり、入浴のみの「神の湯階下」、浴衣に着替えて大広間で休憩もでき、坊っちゃん団子もいただける「神の湯二階席」「霊(たま)の湯二階席」、さらに「霊(たま)の湯三階個室」なら個室休憩ができてよりリッチに! 4つの中から好みの入浴コースを選び、源泉かけ流しの名湯を堪能しよう。

15:00  歴史に触れながら温泉

明治27年に建てられた道後温泉本館。温泉の質の良さはもちろんだが、常に最新技術を取り入れて増改築を繰り返してきた内部の施設も一見の価値ありだ。唯一の皇室専用浴室である豪華絢爛な「又新殿」や文豪・夏目漱石をしのんで造られた「坊っちゃんの間」を入浴の合間に見学してみよう。また、姉妹湯である「椿湯」や明治の雰囲気を今も残す道後温泉駅など、周辺の施設も見ごたえ充分! 湯あがりにのんびりと散策すれば、日本最古を誇る湯の町が経てきたロマン溢れる歴史を肌で感じることができる。

PickUp インフォメーション

カラクリ時計の中から「坊っちゃん」登場!

道後温泉本館100周年を記念して平成6年に造られた「坊っちゃんカラクリ時計」。1時間(季節によっては30分)に一度、道後温泉本館の振鷺閣をモチーフにしたこの時計の中から夏目漱石の小説「坊っちゃん」の主人公が現れる。隣は道後温泉の源泉を使った人気スポットの足湯「放生園」。ここで心も身体もポカポカに温めながら坊っちゃんの登場をのんびり待とう。夜には付近にレトロなガス灯がともり、デートにピッタリの雰囲気に。

デートは話題の展望スポットへ

「松山総合公園」は景色を堪能するデートにお勧め。特に夜景は有名で、ヨーロッパの城をイメージした展望台からは松山城のライトアップや市内の街灯りを一望できる。様々な遊具が揃う「えひめこどもの城」は子供連れにも人気が高い。また松山市駅前の百貨店屋上にある大観覧車「くるりん」もデート名所のひとつ。夕暮れや夜景を眺めながら、ロマンチックな15分間の空中散歩を満喫しよう。夜には観覧車自体にもイルミネーションが施され、その姿は「松山城二之丸史跡庭園」からも眺めることができる。

小説「坂の上の雲」の世界へ

「坂の上の雲ミュージアム」は司馬遼太郎氏の小説「坂の上の雲」をテーマとした博物館。松山市全体を屋根のない博物館とする「坂の上の雲」フィールドミュージアム構想の中核施設で、設計は建築家・安藤忠雄氏が担当している。大きなガラス窓が印象的な館内では小説に描かれた3人の主人公(秋吉好古、秋吉真之、正岡子規)の足跡の紹介や直筆資料の公開、明治時代に関する資料など趣向を凝らした展示が目白押し! 近代化の実現を目指して3人が駆け抜けた明治時代に思いを馳せ、時の流れを感じよう。

誓いのコイン

昭和60年にかつて日露戦争の捕虜収容所があった松山城二之丸跡の井戸跡からロシアの硬貨が出土。そこには日本女性とロシア人男性のものらしき名前が刻まれていた。後の調査でこの2人が実在したことが判明! 「看護に対する感謝の気持か」「国境を越えた恋の証では!?」と様々な仮説が飛び交った。このエピソードを基にミュージカル「誓いのコイン」が創作され、2011年から2012年にかけて地元の坊っちゃん劇場やロシアでも上演。心温まる交流を描いたストーリーは時代を超えて人々の感動を呼んだ。

海の幸・山の幸・伝統の味が盛りだくさん!

愛媛特産のミカンを使ったジュースやお菓子、道後温泉名物の「坊っちゃん団子」、餡を柚子入りカステラで巻いた「タルト」の美味しさは誰もが知るところ。新鮮な魚のすり身で作る「じゃこ天」や「かまぼこ」、鮮やかな緋色がインパクト大の「緋の蕪漬」、天然素材で色を付けた「五色そうめん」など、昔から伝わる郷土の味も豊富に揃う。また白磁に落ち着いた藍色が映える「砥部焼」や良質な竹を使った「竹細工」、日本三大絣のひとつ「伊予絣」の小物や雑貨などの伝統工芸品もお土産として喜ばれている。